解説

和名:ジャコウネズミ
分類群:食虫目・トガリネズミ科
学名: Suncus murinus
方言名:ジャー
指定状況:なし
分布:
奄美群島(奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島),沖縄諸島の多くの島々
※奄美大島の個体は持ち込まれた可能性が考えられる。

特徴:
 頭胴長11.6~15.7cm,尾長6.1~8.5cm。奄美大島でみられるトガリネズミ科の中では最も大きい。
 平地に生息し,サトウキビ畑などの農耕地,人家の軒下などで活動する。主に小さな昆虫やミミズなどを食べる。鼻先はモグラのようにとがっている。
 奄美大島では1981年を最後に,長年観察記録がないため,すでに絶滅した可能性がある。

人との関わり:
 江戸時代末期にまとめられた市指定文化財『南島雑話』には,麝香鼠(じゃこうねずみ)として紹介されていて,モグラの形に似ており,人家の床の下にすみついて肉・野菜・米などを食べ,強烈な臭いを放つと記されている。

参考文献:
・阿部永.2008.「ジャコウネズミ」.『日本の哺乳類[改訂2版]』(阿部永,監).pp.16.東海大学出版会.
・服部正策.1991.「南西諸島のトガリネズミ科」.『チリモス』.pp.17-26.奄美哺乳類研究会.
ジャコウネズミ(撮影:大宜見 浩氏)
ジャコウネズミ(撮影:大宜見 浩氏)