解説

和名:リュウキュウイノシシ
分類群:偶蹄目・イノシシ科
学名:Sus scrofa riukiuanus
方言名:シシ
指定状況:なし
分布:奄美大島・徳之島・沖縄島・石垣島・西表島
特徴:
 南西諸島固有種。頭胴長80.0~110.0cm,体重40.0~50.0kg。本土に分布するニホンイノシシより小さい。
 平地から山地に生息し,森林内,サトウキビ畑などの農耕地,集落周辺などで活動する。植物の種子・果実・根・ミミズ・カエル類など,様々な動植物を食べる。
 春・秋ごろには,イノシシの仔(ウリ坊)も観察できる。
 沖縄島では,ブタとの交雑種イノブタも多く確認されている。

人との関わり:
 奄美大島では,11月から3月にかけてイノシシの狩猟が解禁されている。大きなイノシシを狩った狩猟者は,周りの人に自慢するため,下アゴの骨を大事に保管する。捕まえられたイノシシは,シシ汁や焼き肉などとして食べられる。
 また,あらゆる農作物を食べるため,畑の周囲にはイノシシの防護柵などが設置されることもある。
 江戸時代末期にまとめられた市指定文化財『南島雑話』には,本土のイノシシに似ているが,獰猛さに欠け,味も少し薄いと記されている。

参考文献:
・三浦慎悟.2008.「イノシシ」.『日本の哺乳類[改訂2版]』(阿部 永,監).pp.108-109.東海大学出版会.
リュウキュウイノシシ
リュウキュウイノシシ